受付事務の将来性 — AIに奪われる業務・残る業務

最終更新: 2026/03/24

43% AI浸透度(AI代替率)

電話交換やスケジュール管理はAIボット化が進む一方で、来訪者を迎えて気持ちよく案内する、顧客の「求めていることを読み取る」という直接対応が、むしろ顧客体験の最後の砦として価値が高まる職種。ホスピタリティと事務処理の両立スキルが競争力になります。

受付事務の要点 2026/03/24 更新
AI浸透度(AI代替率) 43%
AIが関与するタスク 5件 / 19件
人間中心のタスク 14件
AIに代替困難な要素 対面対応
AI実装済み領域 43%
平均年収 324万円
求められるスキル 傾聴力・説明力・他者の反応の理解
就業者数 約10万人

受付事務とは

企業や団体等の受付において来客を出迎えて応対し、訪問目的を的確に把握して、担当者への連絡や訪問先等の案内などを行う。

この職種のAI浸透度は43%。 19件の業務のうち5件でAIが活用され、14件は人間が中心です。 対面対応などAIには代替できない要素も多く、 AIとの共存が鍵の職種です。

なるには

入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。人材派遣会社に登録し、契約先の企業などの受付に派遣されて業務を行う場合が多い。比較的規模の大きな企業、工場、団体、官公署などに一般の社員として採用され、受付の業務に就くこともある。 入職後は受付カウンターで先輩社員から指導を受けながら、実際に来客への応対を行って経験を積む。 来客と最初に接するため、企業のイメージを損なわないように親切、丁寧な態度、手際の良い応対が求められる。判断力や清潔感なども必要である。 迅速かつ的確な応対のためには、あらかじめ館内の配置、企業の組織体系、各部署の業務内容などを理解しておくこと、また重要な客や頻繁に訪れる客については顔と名前、所属先を覚えておくことなども重要である。

AI時代に伸ばすべきポイント

  • 来訪者を迎え、訪問目的を確認し、目的の場所へ案内する・記録の整理・保管を行うを極める — AIでは代替できない領域
  • 電話交換台を操作し、応答・取次・伝言・予約受付を行うのAIツールを習得 — 効率化の武器に
  • 傾聴力・説明力の重要性が今後さらに高まる

AIはどこまで浸透しているか

受付事務の業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。

AI 43% 人間 57%

業務の43%でAIが活用されていますが、残り57%は人間ならではの対応が求められています。

業務ごとのAI浸透度

受付事務の業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。

5
AIが担う業務
14
人間が担う業務

AIが担う業務 浸透度 50%以上

100% 電話交換台を操作し、応答・取次・伝言・予約受付を行う
100% 予約のスケジュール管理とカレンダーの更新を行う
AI主導
100% 顧客や一般市民からの苦情を聴取し解決する
100% データを分析し顧客や一般からの問い合わせに回答する
AI主導
77% メモ・通信文・出張伝票等の文書を作成・処理する 補助
AI主導

人間が担っている業務 浸透度 50%未満

来訪者を迎え、訪問目的を確認し、目的の場所へ案内する
記録の整理・保管を行う
サービス料金を受領し、領収書を記録する
校正、手書き情報の転記、給与記録・請求書・貸借対照表等の書類処理などの事務支援業務を行う
コンピュータ・郵便・FAXを使用して顧客に情報や文書を送付する
郵便物・メッセージ・宅配便の収集・仕分け・配布・準備を行う
部署の所在・組織の人員・提供サービスなど施設に関する情報を案内する
旅行・株式・保険等の商品・サービスの料金を算出し提示する 補助
職員の所在と対応可否の最新記録を管理する 補助
商品や資材の注文を受け付け、担当部署に手配する 補助
植物の手入れや雑誌の整頓等、ロビー・受付エリアの環境を維持する 補助
特別プログラム用の会場・機材を手配し、参加者リストを作成する 補助
プログラムへの参加登録を受け付け、受理通知を行う 補助
史跡や国立公園など公共施設の特徴を説明するツアーや講話を行う 補助
AIの使われ方: AI直接指示 やり取り改善 フィードバック 学習 検証
この分析の見方

各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。

※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。

AIが担う業務
情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
人間が担っている業務
AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。

カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:

AI直接指示(赤系)
AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
やり取り改善(青系)
人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
フィードバック(紫系)
AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
学習(緑系)
AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
検証(黄系)
AIの出力を人間が確認・検証する利用。

なぜAIが入り込めないのか

🧑 AIの浸透を阻む「人間の強み」

57%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。

AIにできない 対面対応

ある程度求められる対面でのやりとりが求められる仕事

この仕事では他者とのかかわりといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力、説明力

具体的な業務: 「外国からの来客や問い合わせに対応する。」「臨時の来客や緊急事態に対応する。」

業界で変わるAIの影響

同じ受付事務でも、働く業界によってAIの影響度は異なります。デジタル化が進んだ業界ほど、AIとの接点が多くなります。

金融・保険業
AI化 43% 潜在 +32%
不動産業
AI化 43% 潜在 +23%
サービス業(その他)
AI化 43% 潜在 +23%
医療・福祉
AI化 43% 潜在 +13%
すでにAI化 AI活用で伸びる 組織のAI導入で恩恵 人間のみ
この分析の見方
すでにAI化
AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
AI活用で伸びる
AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
組織のAI導入で恩恵
会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
人間のみ
身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。

この職種の年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づく受付事務の給与水準です。

平均年収 324万円
月給 238.2千円
賞与 380.2千円
平均年齢 40歳
勤続年数 7.2年

業界で変わる年収

同じ受付事務でも、働く業界によって年収は大きく異なります。

電気・ガス・熱供給・水道業 695万円
鉱業,採石業,砂利採取業 687万円
金融業,保険業 614万円
情報通信業 556万円
学術研究,専門・技術サービス業 540万円
不動産業,物品賃貸業 536万円
教育,学習支援業 530万円
製造業 524万円

出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)

この職種に向いている人

ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。

S 社会的
3.3
C 慣習的
3.1
E 企業的
3.0
R 現実的
2.7
A 芸術的
2.7
I 研究的
2.5

人と関わり、助け、教えることが好きなタイプが向いています。

求められるスキルと知識

受付事務に求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。

スキル

1
傾聴力 3.9
2
説明力 3.3
3
他者の反応の理解 3.1
4
文章力 3.0
5
読解力 2.8

知識

1
事務処理 2.0
2
顧客サービス・対人サービス 1.9
3
日本語の語彙・文法 1.1
4
人事労務管理 0.8
5
コミュニケーションとメディア 0.8

働く環境と雇用形態

働く環境

規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 76%
他者とのかかわり ほぼ毎日 74%
競争水準 全く 競争的 ではない 68%
空調のきいた屋内作業 ほぼ毎日 66%
座り作業 ほぼ常に 48%
ミスの影響度 多少は深刻な事態を引き起こす 48%
電話での会話 ほぼ毎日 44%
立ち作業 就業時間の半分未満 42%

雇用形態

パートタイマー
54.0%
正規の職員、従業員
28.0%
契約社員、期間従業員
10.0%
アルバイト(学生以外)
8.0%
派遣社員
6.0%
アルバイト(学生)
4.0%
自営、フリーランス
2.0%
わからない
2.0%
その他
2.0%

受付事務の将来性とAIの影響

「受付事務はAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。

AI代替率: 43%

AI代替率は43%で一部の業務は自動化が進みますが、対面対応が求められる領域は引き続き人間が中心です。

AIが変える業務

電話交換台を操作し、応答・取次・伝言・予約受付を行う、予約のスケジュール管理とカレンダーの更新を行う、顧客や一般市民からの苦情を聴取し解決するなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。

AI時代に求められるスキル

傾聴力・説明力・他者の反応の理解といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。

よくある質問

受付事務はAIでなくなりますか?

受付事務がAIで完全になくなる可能性は低いです。AI代替率は43%で、14件の業務は引き続き人間が担います。ただしAI活用スキルが将来性を左右します。

受付事務はAIに代替される?

受付という職種は残りますが、仕事の内容は大きく変わります。ルーチン的な電話交換・予約確認はAIが担当し、複雑な問い合わせや来客対応という「判断が必要な」業務に人員がシフトします。

受付事務でAIはどう活用される?

業種により異なりますが、AI総合活用度は76%です。すでにAI化されている部分が43%、AI活用で伸ばせる部分が19%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が14%です。

受付事務の将来性は?

あります。企業の顔として機能する受付は、AI時代こそ顧客満足度を左右する要素になります。正確な事務処理とホスピタリティを兼ね備えた受付は、多くの組織で重宝されます。

AI時代に受付事務に必要なスキルは?

ヒアリング力と柔軟な対応力です。顧客の言葉の奥にあるニーズを察知し、最適な部門に案内する力。AI対応では解決しない「複雑・例外的」な問い合わせに対応できる判断力が必須になります。

受付事務で生成AIをどう活用できる?

受付事務では5件の業務でAIが活用されています。主な活用領域は電話交換台を操作し、応答・取次・伝言・予約受付を行う、予約のスケジュール管理とカレンダーの更新を行う、顧客や一般市民からの苦情を聴取し解決するなどです。

この職種に影響するAI動向

実際のSaaS製品リリースがこの職種に与える影響を分析しています。

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最終更新: 2026/03/24

AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細

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