データサイエンティストの将来性 — AIに奪われる業務・残る業務

最終更新: 2026/03/24

43% AI浸透度(AI代替率)

統計分析やコーディングの定型的な作業はAIの助言で高速化する一方で、データサイエンティストの本質的な価値は「経営課題を数式で解く問い立て」と「複雑なモデルの結果を組織が納得する形で翻訳する」能力へ集約されます。技術者から経営顧問へのシフトが加速します。

データサイエンティストの要点 2026/03/24 更新
AI浸透度(AI代替率) 43%
AIが関与するタスク 6件 / 16件
人間中心のタスク 10件
AIに代替困難な要素 対面対応
AI実装済み領域 43%
求められるスキル 読解力・数学的素養・傾聴力

データサイエンティストとは

新たな商品やサービスを生み出したり、業務プロセスの革新のため、大量に蓄積されたデータ(ビッグデータ)を分析する。

この職種のAI浸透度は43%。 16件の業務のうち6件でAIが活用され、10件は人間が中心です。 対面対応などAIには代替できない要素も多く、 AIとの共存が鍵の職種です。

なるには

この仕事に就いている人は、大学院等で統計学、数学、情報工学などを専攻している場合が多い。また、環境やバイオなどその他の理系の出身者や文系出身者もいる。大学院等でデータの収集・分析の素地を身につけていると仕事に生かせる。 新卒で就職する場合、業種は様々であるが、大規模なIT企業、製造業、サービス業等が多い。中途採用では、情報処理技術者、通信技術者、マーケティングリサーチャー、製造業の研究者からなる場合が多い。ポストドクター(博士号取得者)からデータサイエンティストになる人もいる。 IT、データ解析、ビジネス等の専門知識とスキルのほかに、コミュニケーション能力や発想力も要求される。データ解析の対象が幅広いため、自分の得意分野を生かして仕事をすることになる。

AI時代に伸ばすべきポイント

  • モデルの妥当性検証・テストを行い、必要に応じてモデルを再構築する・数理モデリングやデータ分析の結果を経営陣やエンドユーザーに報告するを極める — AIでは代替できない領域
  • 定数・変数・制約条件・代替案・相反する目標とそのパラメータを関連付けた数理・シミュレーションモデルを構築するのAIツールを習得 — 効率化の武器に
  • 読解力・数学的素養の重要性が今後さらに高まる

AIはどこまで浸透しているか

データサイエンティストの業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。

AI 43% 人間 57%

業務の43%でAIが活用されていますが、残り57%は人間ならではの対応が求められています。

業務ごとのAI浸透度

データサイエンティストの業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。

6
AIが担う業務
10
人間が担う業務

AIが担う業務 浸透度 50%以上

92% 定数・変数・制約条件・代替案・相反する目標とそのパラメータを関連付けた数理・シミュレーションモデルを構築する
AI主導
88% 経営層からの情報を分析し、業務上の課題を定義する
AI+人間
77% 課題の定義・評価と解決策を提示する管理報告書を作成する
AI+人間
76% 会計・ファイル管理・物流・生産スケジュール等の業務手法・手順を策定する 補助
AI+人間
76% 代替案に関する情報を調査・分析し、最良の結果をもたらす計画を決定する
AI+人間
67% 上級管理者や意思決定者と協力し、各種問題の特定・解決と経営目標の明確化を行う
人間主導

人間が担っている業務 浸透度 50%未満

モデルの妥当性検証・テストを行い、必要に応じてモデルを再構築する
数理モデリングやデータ分析の結果を経営陣やエンドユーザーに報告する
組織内の関係者と協力し、選定した問題解決策の確実な実施を図る
データ要件を定義し、判断力と統計的検定を用いて情報を収集・検証する
現行システムの稼働状況を観察し、各構成要素の問題点に関する情報を多様な情報源から収集・分析する
システムを構成要素に分解し、各要素に数値を割り当てて数学的関係を分析する
既存データからモデル構築が困難な場合に実験的運用モデルを設計・実施・評価する
数理モデルの活用方法についてスタッフを教育する
モデルに適用する操作手法や計算方法を指定する
工程・コスト管理手法を構築し大規模プロジェクトを計画・管理する
AIの使われ方: AI直接指示 やり取り改善 フィードバック 学習 検証
この分析の見方

各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。

※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。

AIが担う業務
情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
人間が担っている業務
AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。

カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:

AI直接指示(赤系)
AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
やり取り改善(青系)
人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
フィードバック(紫系)
AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
学習(緑系)
AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
検証(黄系)
AIの出力を人間が確認・検証する利用。

なぜAIが入り込めないのか

🧑 AIの浸透を阻む「人間の強み」

57%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。

AIにできない 対面対応

高い対面でのやりとりが求められる仕事

この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力、説明力

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

AIは補助まで 責任判断

高い責任を伴う判断が求められる

この仕事では意思決定の自由、結果・成果への責任、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 合理的な意思決定

具体的な業務: 「分析対象となる業務の責任者(他社の場合はクライアント)にヒアリングし、分析の目標を決める。」「モデリング作業が終わると、そのモデルが適切かどうか判断するための効果検証を行う。」「モデルが新たなデータに対しても有効かどうか判断する。」

AIが追いつきつつある領域

ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。

変化の兆し 曖昧な判断

正解のない状況での判断力が特に求められる

この仕事では意思決定の自由、優先順位や目標の自己設定、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

具体的な業務: 「モデリング作業が終わると、そのモデルが適切かどうか判断するための効果検証を行う。」「モデルが新たなデータに対しても有効かどうか判断する。」

変化の兆し 創造性

高い創造性やオリジナリティが求められる

求められる力: 独創性

この仕事の原動力: 達成感、自律性

具体的な業務: 「システムの企画・開発を行う。」「データ分析のプラットフォームを提案する。」

変化の兆し 関連資格・学歴

高い学歴が求められる傾向がある

業界で変わるAIの影響

同じデータサイエンティストでも、働く業界によってAIの影響度は異なります。デジタル化が進んだ業界ほど、AIとの接点が多くなります。

情報通信業
AI化 43% 潜在 +39%
金融・保険業
AI化 43% 潜在 +39%
製造業
AI化 43% 潜在 +28%
卸売業
AI化 43% 潜在 +28%
すでにAI化 AI活用で伸びる 組織のAI導入で恩恵 人間のみ
この分析の見方
すでにAI化
AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
AI活用で伸びる
AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
組織のAI導入で恩恵
会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
人間のみ
身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。

この職種の年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づくデータサイエンティストの給与水準です。

業界で変わる年収

同じデータサイエンティストでも、働く業界によって年収は大きく異なります。

金融業,保険業 944万円
鉱業,採石業,砂利採取業 750万円
学術研究,専門・技術サービス業 668万円
電気・ガス・熱供給・水道業 662万円
製造業 651万円
建設業 625万円
教育,学習支援業 615万円
卸売業,小売業 605万円

出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)

この職種に向いている人

ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。

I 研究的
3.8
R 現実的
3.4
E 企業的
3.2
S 社会的
3.0
A 芸術的
2.7
C 慣習的
2.7

物事の仕組みを調べ、データを分析するのが好きなタイプが向いています。

求められるスキルと知識

データサイエンティストに求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。

スキル

1
読解力 5.5
2
数学的素養 5.1
3
傾聴力 5.0
4
新しい情報の応用力 5.0
5
論理と推論(批判的思考) 5.0

知識

1
数学 3.0
2
コンピュータと電子工学 2.8
3
事務処理 2.2
4
ビジネスと経営 2.2
5
販売・マーケティング 2.0

働く環境と雇用形態

働く環境

空調のきいた屋内作業 ほぼ毎日 87%
座り作業 ほぼ常に 87%
電子メール ほぼ毎日 79%
意思決定の自由 ある程度は自由がある 68%
他者とのかかわり ほぼ毎日 64%
対面での議論 週に1度以上 60%
反復作業 就業時間の半分未満 57%
規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 規則的(ルーチンやスケジュールが決まっている) 51%

雇用形態

正規の職員、従業員
89.4%
自営、フリーランス
12.8%
派遣社員
10.6%
パートタイマー
8.5%
契約社員、期間従業員
8.5%
経営層(役員等)
6.4%
アルバイト(学生以外)
2.1%
アルバイト(学生)
2.1%

データサイエンティストの将来性とAIの影響

「データサイエンティストはAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。

AI代替率: 43%

AI代替率は43%で一部の業務は自動化が進みますが、対面対応が求められる領域は引き続き人間が中心です。

AIが変える業務

定数・変数・制約条件・代替案・相反する目標とそのパラメータを関連付けた数理・シミュレーションモデルを構築する、経営層からの情報を分析し、業務上の課題を定義する、課題の定義・評価と解決策を提示する管理報告書を作成するなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。

AI時代に求められるスキル

読解力・数学的素養・傾聴力といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。

よくある質問

データサイエンティストはAIでなくなりますか?

データサイエンティストがAIで完全になくなる可能性は低いです。AI代替率は43%で、10件の業務は引き続き人間が担います。ただしAI活用スキルが将来性を左右します。

データサイエンティストはAIに代替される?

職種としては進化します。データ処理・分析の「技術的な下準備」はAIに任せられるようになり、データサイエンティストは経営層と対話しながら「何を問うべきか」を設計する役割にシフトします。

データサイエンティストでAIはどう活用される?

業種により異なりますが、AI総合活用度は82%です。すでにAI化されている部分が43%、AI活用で伸ばせる部分が25%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が14%です。

データサイエンティストの将来性は?

高い将来性があります。AIが技術的なサポートを担う分、むしろビジネス課題を深く理解し、データ活用の価値を組織に説く「橋渡し人材」としての重要性が増します。

AI時代にデータサイエンティストに必要なスキルは?

ビジネス課題の理解力と説得力です。複雑な分析結果を経営陣にわかりやすく伝え、それに基づいた施策実行を推進する力。AIの提案をそのまま使うのではなく、自社の文脈で検証・改善する批判的思考が重要です。

データサイエンティストで生成AIをどう活用できる?

データサイエンティストでは6件の業務でAIが活用されています。主な活用領域は定数・変数・制約条件・代替案・相反する目標とそのパラメータを関連付けた数理・シミュレーションモデルを構築する、経営層からの情報を分析し、業務上の課題を定義する、課題の定義・評価と解決策を提示する管理報告書を作成するなどです。

この職種に影響するAI動向

実際のSaaS製品リリースがこの職種に与える影響を分析しています。

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最終更新: 2026/03/24

AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細

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