地方公務員(行政事務)の将来性 — AIに奪われる業務・残る業務
最終更新: 2026/03/24
地方公務員(行政事務)は、町内会対応や地域課題への相談受付といった「顔の見える行政」が仕事の大きな部分です。定型的な書類作成や給与計算はAI・RPAが効率化できますが、地域住民からの多様な相談に耳を傾け、地元企業との連携を調整し、小規模自治体ならではの柔軟な対応をする局面では、顔と経験を持つ人間の判断が不可欠です。
地方公務員(行政事務)とは
都道府県や市区町村といった地方自治体に勤務し、地方自治体が住民のために行っている事業に関する行政施策の企画・立案、予算の編成から実際の業務にかかわる事務処理を担当する。
この職種のAI浸透度は23%。 22件の業務のうち5件でAIが活用され、17件は人間が中心です。 対面対応などAIには代替できない要素も多く、 将来性の高い職種です。
なるには
地方公務員の採用試験・選考に合格することが必要である。試験や選考の内容及び各試験の名称は、各地方自治体によって異なるが、多くの場合、1種(大学卒業程度)、2種(短大卒業程度)、3種(高校卒業程度)などに分かれ、1次と2次試験があり、教養試験や専門試験、面接などが行われる。 一般に昇進は勤務成績や能力に基づいて行われ、役職は自治体により異なるが、係長など係の責任者を経て課長、部長などの管理職に昇進していく。 地方自治体の業務は様々な分野に及ぶので、行政分野全体に対する幅広い関心を有するとともに、地域住民に対する奉仕の精神をもち、公正かつ中立であることが求められる。
AI時代に伸ばすべきポイント
- 役員のスケジュールを管理・維持する・記録管理、部門財務、予算作成、人事、庶務等の事務サービスを統括するを極める — AIでは代替できない領域
- 役員の出張手配を行うのAIツールを習得 — 効率化の武器に
- 傾聴力・説明力の重要性が今後さらに高まる
AIはどこまで浸透しているか
地方公務員(行政事務)の業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。
地方公務員(行政事務)の業務の77%は、まだ人間が担っています。AIの影響を受けにくい職種です。
業務ごとのAI浸透度
地方公務員(行政事務)の業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。
AIが担う業務
人間が担っている業務
この分析の見方
各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。
※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。
- AIが担う業務
- 情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
- 人間が担っている業務
- AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。
カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:
- AI直接指示(赤系)
- AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
- やり取り改善(青系)
- 人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
- フィードバック(紫系)
- AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
- 学習(緑系)
- AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
- 検証(黄系)
- AIの出力を人間が確認・検証する利用。
なぜAIが入り込めないのか
AIの浸透を阻む「人間の強み」
77%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。
高い対面でのやりとりが求められる仕事
この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
求められる力: 傾聴力、説明力
この仕事の原動力: 周囲や組織の支援
具体的な業務: 「窓口において住民の相談への対応や電話への応対をする。」「住民向けサービスなどの説明資料を作成し、広報活動をする。」
高い責任を伴う判断が求められる
この仕事では結果・成果への責任、ミスの影響度、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
求められる力: 合理的な意思決定
具体的な業務: 「地方公共団体が管理・運営する施設や設備で管理・運営の事務を行う。」
AIが追いつきつつある領域
ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。
高い学歴が求められる傾向がある
業界で変わるAIの影響
同じ地方公務員(行政事務)でも、働く業界によってAIの影響度は異なります。
この分析の見方
- すでにAI化
- AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
- AI活用で伸びる
- AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
- 組織のAI導入で恩恵
- 会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
- 人間のみ
- 身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。
この職種の年収
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づく地方公務員(行政事務)の給与水準です。
業界で変わる年収
同じ地方公務員(行政事務)でも、働く業界によって年収は大きく異なります。
出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)
この職種に向いている人
ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。
人と関わり、助け、教えることが好きなタイプが向いています。
求められるスキルと知識
地方公務員(行政事務)に求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。
スキル
知識
働く環境と雇用形態
働く環境
雇用形態
近い職種のAI浸透度
地方公務員(行政事務)とキャリアが近い職種を、AI浸透度の違いで比較できます。
AIがより浸透している職種
地方公務員(行政事務)の将来性とAIの影響
「地方公務員(行政事務)はAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。
AI代替率: 23%
AI代替率は23%で一部の業務は自動化が進みますが、対面対応が求められる領域は引き続き人間が中心です。
AIが変える業務
役員の出張手配を行う、ワープロ・表計算・データベース等のソフトを使い請求書・報告書・財務諸表等を作成する、調査・データ収集を行い、経営層・委員会・取締役会向けの資料を作成するなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。
AI時代に求められるスキル
傾聴力・説明力・読解力といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。
よくある質問
地方公務員(行政事務)はAIでなくなりますか?
地方公務員(行政事務)がAIで完全になくなる可能性は低いです。AI代替率は23%で、17件の業務は引き続き人間が担います。ただしAI活用スキルが将来性を左右します。
地方公務員(行政事務)はAIに代替される?
地方行政事務の業務の約4分の1(書類作成、データ管理、給与計算など)はAI・RPA対応可能です。ただ地域密着型の自治体では、住民からの相談内容が複雑で個別対応を要するケースが多く、初期対応から解決までの「人間関係」が信頼につながります。この部分は自動化できません。
地方公務員(行政事務)でAIはどう活用される?
業種により異なりますが、AI総合活用度は57%です。すでにAI化されている部分が23%、AI活用で伸ばせる部分が22%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が11%です。
地方公務員(行政事務)の将来性は?
地方自治体が人口減少・財政制約に直面する中、行政事務職員の価値はむしろ高まります。効率化で生まれた時間を使い、地域課題の掘り起こし、住民・企業との連携促進、関係人口の創造といった新しい役割にシフトする人材が求められています。
AI時代に地方公務員(行政事務)に必要なスキルは?
デジタルツール(RPA、自治体向けクラウドシステムなど)の操作スキルが基本です。並行して、複雑な住民相談に対応する聴取力、複数部門や民間企業との調整力、地域課題をビジネス的に捉える戦略思考が、今後の地方公務員の競争力になります。
地方公務員(行政事務)で生成AIをどう活用できる?
地方公務員(行政事務)では5件の業務でAIが活用されています。主な活用領域は役員の出張手配を行う、ワープロ・表計算・データベース等のソフトを使い請求書・報告書・財務諸表等を作成する、調査・データ収集を行い、経営層・委員会・取締役会向けの資料を作成するなどです。
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最終更新: 2026/03/24
AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細