プロジェクトマネージャ(IT)の将来性 — AIに奪われる業務・残る業務

最終更新: 2026/03/24

16% AI浸透度(AI代替率)

ハードウェア選定やシステム要件の技術判断はAIが支援する一方で、利害関係者との交渉や進捗管理などヒューマンスキルが不可欠な職。エクセル報告書作成はAIツールで高速化しつつ、部門間の協調を取り結ぶ経営判断がより重要に。

プロジェクトマネージャ(IT)の要点 2026/03/24 更新
AI浸透度(AI代替率) 16%
AIが関与するタスク 3件 / 16件
人間中心のタスク 13件
AIに代替困難な要素 対面対応
AI実装済み領域 16%
求められるスキル 傾聴力・他者との調整・説得

プロジェクトマネージャ(IT)とは

IT分野での開発を行うプロジェクトチームの責任者として、プロジェクト実行計画の作成、予算、要員、進捗の管理などを行う。

この職種のAI浸透度は16%。 16件の業務のうち3件でAIが活用され、13件は人間が中心です。 対面対応などAIには代替できない要素も多く、 将来性の高い職種です。

なるには

仕事に就くために、特に学歴や資格は必要とされない。学校卒業後、ソフトウェア開発会社、コンピューターメーカーなどに入社し、システムエンジニアなどとして情報システムの構築や運用を経験した者が就くことが多い。情報システムの開発を行う会社において、システムエンジニアから課長等のレベルに昇進し、プロジェクトマネージャと称する会社も多い。 プロジェクトマネージャは実際にシステムを開発し、導入するまでの一連の作業を何度も経験し、システム開発のスキルを高め、得意分野を固めていく。 プロジェクトマネージャは実績を重ねて、会社の幹部、経営層になっていったり、特定の分野の専門家となり、IT分野のコンサルタントのような役割をしていく場合もある。 プロジェクトマネージャに必要とされるのは、情報システムを活用する分野の産業や会社の仕事・業務に関する知識(業務知識)、コンピュータ、ソフトウェア、情報通信ネットワーク、クラウドサービスなど技術に関する知識と技能(テクニカルスキル)、情報システムの構築と運用に係わる知識と技能(メソドロジスキル)、情報システム構築と運用のための知識と技能(マネジメントスキル)、プロジェクトチームで仕事を進めていくために必要となる聞く、話す、書く、理解する能力、人と人との関係をうまく構築していく能力(コミュニケーションスキル)である。テクニカルスキルにおいて、最近ではクラウドやスマートフォンに関する知識と技能が重要になっている。 これらの能力を証明するものとして、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が実施する「プロジェクトマネージャ試験」や、米国のNPO法人PMIが実施する「PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)資格」がある。

AI時代に伸ばすべきポイント

  • 部門の日常業務を統括し、業務フローの分析・優先度設定・基準策定・期限管理を行う・部門長、管理者、監督者、取引先等と会議し、協力を求め問題を解決するを極める — AIでは代替できない領域
  • コンピュータの問題に関するテクニカルサポートを提供するのAIツールを習得 — 効率化の武器に
  • 傾聴力・他者との調整の重要性が今後さらに高まる

AIはどこまで浸透しているか

プロジェクトマネージャ(IT)の業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。

AI 16% 人間 84%

プロジェクトマネージャ(IT)の業務の84%は、まだ人間が担っています。AIの影響を受けにくい職種です。

業務ごとのAI浸透度

プロジェクトマネージャ(IT)の業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。

3
AIが担う業務
13
人間が担う業務

AIが担う業務 浸透度 50%以上

96% コンピュータの問題に関するテクニカルサポートを提供する
AI主導
79% 組織のIT利用状況とニーズを評価し、ハードウェア・ソフトウェアの改善を提案する
AI+人間
71% ユーザー・経営層・ベンダー・技術者と協議し、コンピューティングニーズとシステム要件を決定する
人間主導

人間が担っている業務 浸透度 50%未満

部門の日常業務を統括し、業務フローの分析・優先度設定・基準策定・期限管理を行う
部門長、管理者、監督者、取引先等と会議し、協力を求め問題を解決する
プロジェクト計画を確認し、活動の計画・調整を行う
システムアナリストやプログラマー等の業務を割り当て、レビューする
データセキュリティ・戦略的情報処理・災害復旧を考慮した情報資源を構築する
スタッフの採用・雇用・研修・監督、または人員配置の意思決定に参加する
技術の最新動向を把握する
全システムチャートおよびプログラムを実装前に審査・承認する
業務報告書やプロジェクト進捗報告書を作成・レビューする
データ処理提案を評価しプロジェクトの実現可能性と要件を査定する
運営予算および支出を管理する
必要な機器を購入する
バックアップ、セキュリティ、ユーザーサポートシステムを管理する 補助
AIの使われ方: AI直接指示 やり取り改善 フィードバック 学習 検証
この分析の見方

各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。

※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。

AIが担う業務
情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
人間が担っている業務
AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。

カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:

AI直接指示(赤系)
AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
やり取り改善(青系)
人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
フィードバック(紫系)
AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
学習(緑系)
AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
検証(黄系)
AIの出力を人間が確認・検証する利用。

なぜAIが入り込めないのか

🧑 AIの浸透を阻む「人間の強み」

84%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。

AIにできない 対面対応

非常に高い対面でのやりとりが求められる仕事

この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力、説明力

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「開発したシステムをクライアントに説明し、教育等を行う。」「システム移行に伴うサービス等の停止に対応する。」

AIは補助まで 責任判断

非常に高い責任を伴う判断が求められる

この仕事では結果・成果への責任、意思決定の自由、ミスの影響度、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 合理的な意思決定

具体的な業務: 「進捗状況やコストの管理を行い、プロジェクトを円滑に運営する。」「システムのセキュリティを管理する。」

AIは補助まで 指導・育成

後輩や部下への指導・育成が役割の一つ

この仕事では他者とのかかわりといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 説明力、指導

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「開発したシステムをクライアントに説明し、教育等を行う。」「人材の採用や育成を行う。」「システムエンジニア、プログラマーの指導を行う。」

AIは補助まで 交渉

交渉力が求められる

この仕事では対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 説明力

具体的な業務: 「クライアントとプロジェクトメンバーの意見を調整する。」「ステークホルダー全体の利害を調整する。」

AIは補助まで 暗黙知

経験から培われる暗黙知やカンが重要

この仕事の原動力: 達成感、自律性

AIは補助まで 信頼構築

相手との信頼関係が重要な仕事

この仕事では他者とのかかわりといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「クライアントが求めるシステムを明確にする(要件定義)。」「クライアント(顧客)の要望を踏まえ、システムの開発計画を顧客に提案する。」「開発したシステムをクライアントに説明し、教育等を行う。」

AIが追いつきつつある領域

ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。

変化の兆し 曖昧な判断

正解のない状況での判断力が特に求められる

この仕事では優先順位や目標の自己設定、意思決定の自由、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

具体的な業務: 「システム稼働後のメンテナンス、運用体制を検討する。」

変化の兆し 創造性

創造性やオリジナリティが求められる

求められる力: 独創性

この仕事の原動力: 達成感、自律性

具体的な業務: 「クライアント(顧客)の要望を踏まえ、システムの開発計画を顧客に提案する。」

変化の兆し 関連資格・学歴

高い学歴が求められる傾向がある

業界で変わるAIの影響

同じプロジェクトマネージャ(IT)でも、働く業界によってAIの影響度は異なります。デジタル化が進んだ業界ほど、AIとの接点が多くなります。

情報通信業
AI化 16% 潜在 +50%
金融・保険業
AI化 16% 潜在 +50%
製造業
AI化 16% 潜在 +37%
すでにAI化 AI活用で伸びる 組織のAI導入で恩恵 人間のみ
この分析の見方
すでにAI化
AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
AI活用で伸びる
AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
組織のAI導入で恩恵
会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
人間のみ
身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。

この職種の年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づくプロジェクトマネージャ(IT)の給与水準です。

業界で変わる年収

同じプロジェクトマネージャ(IT)でも、働く業界によって年収は大きく異なります。

金融業,保険業 944万円
鉱業,採石業,砂利採取業 750万円
学術研究,専門・技術サービス業 668万円
電気・ガス・熱供給・水道業 662万円
製造業 651万円
建設業 625万円
教育,学習支援業 615万円
卸売業,小売業 605万円

出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)

この職種に向いている人

ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。

R 現実的
3.6
S 社会的
3.4
E 企業的
3.4
C 慣習的
2.9
I 研究的
2.9
A 芸術的
2.5

手を動かし、具体的なモノを作ることが好きなタイプが向いています。

求められるスキルと知識

プロジェクトマネージャ(IT)に求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。

スキル

1
傾聴力 5.4
2
他者との調整 5.1
3
説得 5.0
4
説明力 5.0
5
交渉 5.0

知識

1
コンピュータと電子工学 3.5
2
ビジネスと経営 3.3
3
顧客サービス・対人サービス 2.9
4
事務処理 2.9
5
通信技術 2.7

働く環境と雇用形態

働く環境

空調のきいた屋内作業 ほぼ毎日 92%
他者とのかかわり ほぼ毎日 88%
座り作業 ほぼ常に 86%
電子メール ほぼ毎日 86%
意思決定の自由 ある程度は自由がある 61%
電話での会話 ほぼ毎日 57%
グループやチームでの仕事 きわめて重要である 57%
対面での議論 ほぼ毎日 55%

雇用形態

正規の職員、従業員
90.2%
自営、フリーランス
11.8%
派遣社員
9.8%
契約社員、期間従業員
7.8%
経営層(役員等)
5.9%
パートタイマー
2.0%

必要な学歴・資格

AIでは代替できない専門性の証明。資格保持はAI時代の差別化要因になります。

関連資格

  • プロジェクトマネージャ
  • PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)

近い職種のAI浸透度

プロジェクトマネージャ(IT)とキャリアが近い職種を、AI浸透度の違いで比較できます。

プロジェクトマネージャ(IT)の将来性とAIの影響

「プロジェクトマネージャ(IT)はAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。

AI代替率: 16%

AI代替率は16%と低く、将来性のある職種です。対面対応など、AIには難しい要素が業務の中心にあります。

AIが変える業務

コンピュータの問題に関するテクニカルサポートを提供する、組織のIT利用状況とニーズを評価し、ハードウェア・ソフトウェアの改善を提案する、ユーザー・経営層・ベンダー・技術者と協議し、コンピューティングニーズとシステム要件を決定するなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。

AI時代に求められるスキル

傾聴力・他者との調整・説得といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。

よくある質問

プロジェクトマネージャ(IT)はAIでなくなりますか?

プロジェクトマネージャ(IT)はAIでなくなる可能性が低い職種です。AI代替率はわずか16%で、対面対応など人間の強みが活きる仕事です。

プロジェクトマネージャ(IT)はAIに代替される?

ハードウェア評価やシステム構想といった分析業務はAIツールが代替します。しかし複数の利害関係者を調整し、組織の方向性を示唆するマネジメント層としての意思決定は人間の領域です。むしろこうした政治スキルが差別化要因に。

プロジェクトマネージャ(IT)でAIはどう活用される?

業種により異なりますが、AI総合活用度は66%です。すでにAI化されている部分が16%、AI活用で伸ばせる部分が32%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が18%です。

プロジェクトマネージャ(IT)の将来性は?

IT環境が急速に変わる中で、新技術の評価やベンダー比較をAIと共に行う能力が求められます。単なる技術知識より、ビジネスロジックをシステムに落とし込むコンサルティング的な思考が将来の価値です。

AI時代にプロジェクトマネージャ(IT)に必要なスキルは?

ステークホルダーマネジメント、ファシリテーション、交渉スキルの磨きが急務です。エクセル作成やレポート自動化に時間を使わず、経営課題をシステムで解く戦略立案に集中できる環境作りが重要。

プロジェクトマネージャ(IT)で生成AIをどう活用できる?

プロジェクトマネージャ(IT)では3件の業務でAIが活用されています。主な活用領域はコンピュータの問題に関するテクニカルサポートを提供する、組織のIT利用状況とニーズを評価し、ハードウェア・ソフトウェアの改善を提案する、ユーザー・経営層・ベンダー・技術者と協議し、コンピューティングニーズとシステム要件を決定するなどです。

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最終更新: 2026/03/24

AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細

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