システムエンジニア(受託開発)の将来性 — AIに奪われる業務・残る業務
最終更新: 2026/03/24
顧客との要件定義とチーム技術協議を通じて、制約条件下でのシステム設計を実現。バグ修正や性能向上は継続発生し、顧客満足度を左右します。仕様書作成などはAI支援が加速する一方、顧客との信頼構築と技術判断は人間が不可欠です。
システムエンジニア(受託開発)とは
顧客の情報システムの開発を受託し、ソフトウェアを開発する。
この職種のAI浸透度は29%。 17件の業務のうち5件でAIが活用され、12件は人間が中心です。 対面対応などAIには代替できない要素も多く、 将来性の高い職種です。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされないが、大卒や大学院卒(修士)が多く、高専卒もいる。理系のイメージが強いが文系も多い。入職時に必要ではないが、仕事をしながら、基本情報処理技術者試験や応用情報技術者試験を受ける者もいる。 新卒入社の場合は、入社後の3~4ヵ月は新人研修を受けて、社会人として仕事をするためのビジネススキルやSEに求められるIT(情報技術)の知識を習得する。研修を終えて配属され、2年ほど開発の現場でOJTにより実践力や応用力を身につけていく。その後の研修は担当する仕事に必要な研修をテーマに沿って受けていく。 最初は与えられた開発の一部を担当し、一般的には3年目頃には一人で詳細設計を書けるようになる。5年目頃には基本設計を含め開発全体ができるようになる。 新卒でそのままSEになる人も多いが、プログラマーとしてプログラム開発などの経験を積んでから、なる場合もある。また、IT以外の様々な業界の経験や知識も生かせることから、他業界からの転職者も比較的多い。 キャリアパスとしては、顧客の業務を分析でき、情報システムの基本設計を行えるようになると、開発チームのリーダーとして仕事の管理も行うようになる。その後は、大規模なシステム開発を任され、プロジェクトマネージャやプロダクトマネージャとなり管理職になる場合と、技術力を生かして営業などとなったり、セキュリティなど特化したスペシャリストになったり、IT分野のコンサルタントのような仕事をする場合もある。 SEになるには、情報システムの技術と知識、対象となる業界の業務に関する詳細な知識が必要である。また、開発を進めていくためには全体を見通せる構想力、問題を発見し解決する能力、状況の変化に対応する柔軟性、開発プロジェクトを推進するマネジメント力が求められる。社内外の年齢も経歴も異なる様々な人と接し、意見交換する場面が多く、コミュニケーション能力が非常に重要であり、チームワークが強く求められる。専門分野に閉じこもることなく幅広い好奇心を持って情報収集し、自ら新技術や関連知識を習得し、新しいことにチャレンジする気持ちが必要である。また、トラブルやプレッシャーに冷静に対処できることも求められる。
AI時代に伸ばすべきポイント
- データ処理担当者やプロジェクト管理者と協議し、処理能力や制約に関する情報を得る・システムアナリスト・技術者・プログラマー等と協議し、システム設計や要件・制約の情報を収集するを極める — AIでは代替できない領域
- ユーザーニーズとソフトウェア要件を分析し、時間・コスト制約内での設計可能性を判断するのAIツールを習得 — 効率化の武器に
- 読解力・プログラミングの重要性が今後さらに高まる
AIはどこまで浸透しているか
システムエンジニア(受託開発)の業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。
システムエンジニア(受託開発)の業務の71%は、まだ人間が担っています。AIの影響を受けにくい職種です。
業務ごとのAI浸透度
システムエンジニア(受託開発)の業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。
AIが担う業務
人間が担っている業務
この分析の見方
各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。
※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。
- AIが担う業務
- 情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
- 人間が担っている業務
- AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。
カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:
- AI直接指示(赤系)
- AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
- やり取り改善(青系)
- 人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
- フィードバック(紫系)
- AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
- 学習(緑系)
- AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
- 検証(黄系)
- AIの出力を人間が確認・検証する利用。
なぜAIが入り込めないのか
AIの浸透を阻む「人間の強み」
71%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。
高い対面でのやりとりが求められる仕事
この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
求められる力: 傾聴力、説明力
この仕事の原動力: 周囲や組織の支援
具体的な業務: 「OSの更新に対応してシステムを改修する。」
高い責任を伴う判断が求められる
この仕事では結果・成果への責任、意思決定の自由、ミスの影響度、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
求められる力: 合理的な意思決定
具体的な業務: 「基本設計をもとに、システムで扱うデータ形式やファイル形式、詳細な内部処理方法などを決定し、処理の流れを細分化した設計書を作成する(詳細設計)。」「総合テストの段階等で、品質管理や情報セキュリティの担当者にチェックを依頼する。」「システムの保守条件を決定する。」
経験から培われる暗黙知やカンが重要
この仕事の原動力: 自律性、達成感
AIが追いつきつつある領域
ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。
正解のない状況での判断力が求められる
この仕事では優先順位や目標の自己設定、意思決定の自由、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
具体的な業務: 「顧客とよく検討し、どのようなシステムにするか決めていく(要件定義)。」「システムの導入効果を検討し、顧客に提示する。」
高い学歴が求められる傾向がある
具体的な業務: 「システム導入先に新システムの運用や操作に関する研修や教育を行う。」
業界で変わるAIの影響
同じシステムエンジニア(受託開発)でも、働く業界によってAIの影響度は異なります。デジタル化が進んだ業界ほど、AIとの接点が多くなります。
この分析の見方
- すでにAI化
- AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
- AI活用で伸びる
- AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
- 組織のAI導入で恩恵
- 会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
- 人間のみ
- 身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。
この職種の年収
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づくシステムエンジニア(受託開発)の給与水準です。
業界で変わる年収
同じシステムエンジニア(受託開発)でも、働く業界によって年収は大きく異なります。
出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)
この職種に向いている人
ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。
手を動かし、具体的なモノを作ることが好きなタイプが向いています。
求められるスキルと知識
システムエンジニア(受託開発)に求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。
スキル
知識
働く環境と雇用形態
働く環境
雇用形態
必要な学歴・資格
AIでは代替できない専門性の証明。資格保持はAI時代の差別化要因になります。
関連資格
- 基本情報技術者
- 応用情報技術者
近い職種のAI浸透度
システムエンジニア(受託開発)とキャリアが近い職種を、AI浸透度の違いで比較できます。
AIがより浸透している職種
システムエンジニア(受託開発)の将来性とAIの影響
「システムエンジニア(受託開発)はAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。
AI代替率: 29%
AI代替率は29%で一部の業務は自動化が進みますが、対面対応が求められる領域は引き続き人間が中心です。
AIが変える業務
ユーザーニーズとソフトウェア要件を分析し、時間・コスト制約内での設計可能性を判断する、情報を分析し、コンピュータや周辺機器の配置・変更を計画・提案する、プロジェクトの仕様・活動・進捗に関する報告書や文書を作成するなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。
AI時代に求められるスキル
読解力・プログラミング・傾聴力といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。
よくある質問
システムエンジニア(受託開発)はAIでなくなりますか?
システムエンジニア(受託開発)がAIで完全になくなる可能性は低いです。AI代替率は29%で、12件の業務は引き続き人間が担います。ただしAI活用スキルが将来性を左右します。
システムエンジニア(受託開発)はAIに代替される?
顧客ニーズを引き出す要件定義と、制約条件下での設計判断は人間にしかできません。一方、コード生成・テスト仕様書・ドキュメント作成はAI支援で大幅に効率化されます。
システムエンジニア(受託開発)でAIはどう活用される?
業種により異なりますが、AI総合活用度は77%です。すでにAI化されている部分が29%、AI活用で伸ばせる部分が31%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が17%です。
システムエンジニア(受託開発)の将来性は?
顧客理解力と技術的ビジョン、チーム建設スキルの価値が高まります。単なるコード書きではなく、ビジネス課題解決型のアーキテクチャ設計ができるSEが重宝されます。
AI時代にシステムエンジニア(受託開発)に必要なスキルは?
AIコード生成ツール(GitHub Copilot等)の使いこなし、顧客ヒアリングとビジネス分析、チーム内での技術的リーダーシップ。AIとの協働スキルが不可欠です。
システムエンジニア(受託開発)で生成AIをどう活用できる?
システムエンジニア(受託開発)では5件の業務でAIが活用されています。主な活用領域はユーザーニーズとソフトウェア要件を分析し、時間・コスト制約内での設計可能性を判断する、情報を分析し、コンピュータや周辺機器の配置・変更を計画・提案する、プロジェクトの仕様・活動・進捗に関する報告書や文書を作成するなどです。
この職種に影響するAI動向
実際のSaaS製品リリースがこの職種に与える影響を分析しています。
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最終更新: 2026/03/24
AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細