総務事務の将来性 — AIに奪われる業務・残る業務
最終更新: 2026/03/24
総務事務は、役員の出張手配から請求書・財務諸表の作成、重要な経営資料の企画・編集まで、企業の「裏方」を支える職種です。AIが進出しやすい領域は、定型的な文書作成・データ入力・資料調査ですが、経営層向けの資料設計、スケジュール調整の判断、部門財務の統括といった判断は人間の領域。AIツールを使いこなし、手作業を減らしながら、より戦略的な庶務サービスを統括する側に転換するのが、この職種の未来です。
総務事務とは
文書の分類・整理・保管、建物・設備などの固定資産の管理、株式関連、株主総会・取締役会の準備・運営などの組織全体に関係する仕事に従事する。
この職種のAI浸透度は23%。 22件の業務のうち5件でAIが活用され、17件は人間が中心です。 対面対応などAIには代替できない要素も多く、 将来性の高い職種です。
なるには
この仕事に就くためには、特に学歴や資格は必要とされない。 新卒採用と同時に、総務事務に配属されるケースもあるが、現場や技術、営業、企画などに配属され、いくつかの仕事を経験して総務事務に配属されることもある。 総務事務では企業内の様々な部門との交渉があって、提案や依頼などに速やかな対応が求められるので一定以上の社内での勤務経験があると役に立つ。 仕事に役に立つ資格として、例えば、「第一種衛生管理者資格」、「日商簿記2級資格」、「第三種電気主任技術者」、「防火管理者」などがあげられるが、何れも入社前に取得することは求められておらず、入社後に必要に応じて、企業の研修制度等を利用して取得する場合が多い。 担当として社内で発生する様々な問題に対応するには、少なくとも3年程度の経験が必要とされる。 正確かつ迅速な判断力と主体的な行動力が必要とされる。また、他部署・他担当との調整、交渉も多く、コニュニケーション能力や相手への気配りも求められる。同業他社の動向や取引業者、地域住民との関係についても、普段から正確な情報収集を心がけることも大切である。
AI時代に伸ばすべきポイント
- 役員のスケジュールを管理・維持する・記録管理、部門財務、予算作成、人事、庶務等の事務サービスを統括するを極める — AIでは代替できない領域
- 役員の出張手配を行うのAIツールを習得 — 効率化の武器に
- 傾聴力・文章力の重要性が今後さらに高まる
AIはどこまで浸透しているか
総務事務の業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。
総務事務の業務の77%は、まだ人間が担っています。AIの影響を受けにくい職種です。
業務ごとのAI浸透度
総務事務の業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。
AIが担う業務
人間が担っている業務
この分析の見方
各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。
※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。
- AIが担う業務
- 情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
- 人間が担っている業務
- AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。
カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:
- AI直接指示(赤系)
- AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
- やり取り改善(青系)
- 人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
- フィードバック(紫系)
- AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
- 学習(緑系)
- AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
- 検証(黄系)
- AIの出力を人間が確認・検証する利用。
なぜAIが入り込めないのか
AIの浸透を阻む「人間の強み」
77%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。
高い対面でのやりとりが求められる仕事
この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
求められる力: 傾聴力、説明力
この仕事の原動力: 周囲や組織の支援
具体的な業務: 「社員の問い合わせに対応する。」「異動該当者(国内・海外とも)の対応準備をする。」「福利厚生関連の事務手続き、手配・対応をする。」
ある程度求められる責任を伴う判断が求められる
この仕事では意思決定の自由、結果・成果への責任といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
具体的な業務: 「備品等の管理をする。」「文書の管理をする。」「緊急連絡網の作成・施行・管理をする。」
AIが追いつきつつある領域
ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。
第三種電気主任技術者、第一種衛生管理者、第二種衛生管理者などの関連資格があると有利
業界で変わるAIの影響
同じ総務事務でも、働く業界によってAIの影響度は異なります。デジタル化が進んだ業界ほど、AIとの接点が多くなります。
この分析の見方
- すでにAI化
- AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
- AI活用で伸びる
- AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
- 組織のAI導入で恩恵
- 会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
- 人間のみ
- 身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。
この職種の年収
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づく総務事務の給与水準です。
業界で変わる年収
同じ総務事務でも、働く業界によって年収は大きく異なります。
出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)
この職種に向いている人
ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。
ルールに沿った正確な作業が得意で、組織の中で着実に成果を出すタイプが向いています。
求められるスキルと知識
総務事務に求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。
スキル
知識
働く環境と雇用形態
働く環境
雇用形態
必要な学歴・資格
AIでは代替できない専門性の証明。資格保持はAI時代の差別化要因になります。
関連資格
- 第三種電気主任技術者
- 第一種衛生管理者
- 第二種衛生管理者
- 日商簿記1級
- 日商簿記2級
- 日商簿記3級
- 防火管理者(甲種・乙種)
近い職種のAI浸透度
総務事務とキャリアが近い職種を、AI浸透度の違いで比較できます。
AIがより浸透している職種
総務事務の将来性とAIの影響
「総務事務はAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。
AI代替率: 23%
AI代替率は23%で一部の業務は自動化が進みますが、対面対応が求められる領域は引き続き人間が中心です。
AIが変える業務
役員の出張手配を行う、ワープロ・表計算・データベース等のソフトを使い請求書・報告書・財務諸表等を作成する、調査・データ収集を行い、経営層・委員会・取締役会向けの資料を作成するなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。
AI時代に求められるスキル
傾聴力・文章力・説明力といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。
よくある質問
総務事務はAIでなくなりますか?
総務事務がAIで完全になくなる可能性は低いです。AI代替率は23%で、17件の業務は引き続き人間が担います。ただしAI活用スキルが将来性を左右します。
総務事務はAIに代替される?
総務事務はAIに代替される? → いいえ、代替されるのは一部のタスクだけです。定型的な文書作成やデータ入力は自動化されますが、経営層のスケジュール判断、複数部門の庶務サービス統括、突発的な問題対応は人間にしかできません。むしろAIに単純業務を任せることで、より戦略的な庶務業務にシフトできます。
総務事務でAIはどう活用される?
業種により異なりますが、AI総合活用度は73%です。すでにAI化されている部分が23%、AI活用で伸ばせる部分が31%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が18%です。
総務事務の将来性は?
総務事務の将来性は? → 将来性は高いです。テレワーク普及による庶務の複雑化、海外出張の増加、コンプライアンス強化など、人間にしかできない判断が増えています。AIを使いこなす総務事務は、企業の経営を支える重要な役割になります。
AI時代に総務事務に必要なスキルは?
AI時代に総務事務に必要なスキルは? → 生成AIやデータベースツールを使いこなす技術スキルと、複数部門の立場を理解する調整力です。また、経営課題を読み取り、先回りして資料を準備する「経営層の思考を先読みする力」が重要になります。
総務事務で生成AIをどう活用できる?
総務事務では5件の業務でAIが活用されています。主な活用領域は役員の出張手配を行う、ワープロ・表計算・データベース等のソフトを使い請求書・報告書・財務諸表等を作成する、調査・データ収集を行い、経営層・委員会・取締役会向けの資料を作成するなどです。
この職種に影響するAI動向
実際のSaaS製品リリースがこの職種に与える影響を分析しています。
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最終更新: 2026/03/24
AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細