イベントの企画・運営の将来性 — AIに奪われる業務・残る業務

最終更新: 2026/03/24

10% AI浸透度(AI代替率)

イベント企画・運営は、会議・展示会・セミナーなどの目的と参加者属性を分析して、会場レイアウト・機材配置・進行スケジュールを統合設計する仕事です。当日のトラブル対応(マイク不具合、遅刻登壇者、天候変化への現場調整)も含め、複数の制約条件を同時に最適化する能力がコアです。複雑な意思決定が必要な領域は、AIの支援では対応しきれない、現場判断が不可欠です。

イベントの企画・運営の要点 2026/03/24 更新
AI浸透度(AI代替率) 10%
AIが関与するタスク 2件 / 21件
人間中心のタスク 19件
AIに代替困難な要素 感情労働・対面対応・必須資格・免許
AI実装済み領域 10%
求められるスキル 傾聴力・説明力・時間管理

イベントの企画・運営とは

イベントの企画・運営会社(以下「イベント会社」という。

この職種のAI浸透度は10%。 21件の業務のうち2件でAIが活用され、19件は人間が中心です。 感情労働や対面対応などAIには代替できない要素も多く、 将来性の高い職種です。

なるには

入職にあたって必要とされる特定の学歴や資格はない。求人サイトやイベント会社のホームページから募集される場合もあるが、アルバイトとしてイベントに関わった機会などをきっかけに採用に至るケースもある。 入社後数ヶ月は業務の流れや現場を学び、その後、先輩や上司の指示のもとで一部の業務や小さなイベントを担当する。経験を積んだ後は、調整業務のまとめ役や大規模イベントの担当、イベント全体の責任者等になっていくことが多い。 求められる知識やスキル等では、該当イベントに関連する知識やスキル、運営に関する豊富なノウハウ、多くの関係者と調整しながら業務を進めるコミュニケーション能力、人脈をつくる力、スタッフをまとめ上げるリーダーシップ力、予期せぬトラブルに冷静かつ迅速に対処する力などが挙げられる。

AI時代に伸ばすべきポイント

  • 顧客と相談し、会議・カンファレンス・大会などのイベントの目的や要件を決定する・イベント請求書の正確性を確認し、支払いを承認するを極める — AIでは代替できない領域
  • 顧客要件に基づきサービス提供者を評価・選定するのAIツールを習得 — 効率化の武器に
  • 傾聴力・説明力の重要性が今後さらに高まる

AIはどこまで浸透しているか

イベントの企画・運営の業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。

AI 10% 人間 90%

イベントの企画・運営の業務の90%は、まだ人間が担っています。AIの影響を受けにくい職種です。

業務ごとのAI浸透度

イベントの企画・運営の業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。

2
AIが担う業務
19
人間が担う業務

AIが担う業務 浸透度 50%以上

95% 顧客要件に基づきサービス提供者を評価・選定する
92% イベント活動を監視し、法令遵守・参加者満足・問題解決を確認する
AI主導

人間が担っている業務 浸透度 50%未満

顧客と相談し、会議・カンファレンス・大会などのイベントの目的や要件を決定する
イベント請求書の正確性を確認し、支払いを承認する
イベントの宿泊・交通・会場・ケータリング・警備等のサービスを手配・調整する
映像音響機器・交通手段・展示物などイベントに必要な設備を手配する
イベント会場のスタッフと協議し、詳細な調整を行う
イベント施設が顧客要件に適合しているか点検する
イベントの運営内容や財務詳細の記録を管理する
ホテル・会議場・講演者等のサービス提供者との契約交渉を行う
顧客要件に基づきプログラム・議題・予算・サービスを企画・策定する
イベントに必要なボランティアおよびサポートスタッフを採用・研修・監督する
今後のイベント改善のため事後評価を実施する
財務処理・販促資料の配布・問い合わせ対応などの管理業務を統括する
スポンサーや実行委員会と打合せし、イベントの規模・形式の企画、予算管理、運営手順の確認を行う
業界誌の購読・セミナー参加・同業者との情報交換により会議運営の最新動向を把握する
イベント参加者の登録受付を管理する 補助
イベントのテーマを企画し登壇者を選定する 補助
業界団体との面談やパンフレット作成を通じて会議・展示会サービスを宣伝する 補助
イベント広報やスポンサー獲得の施策を企画・実施する 補助
展示設営やイベント飲食提供のため消防・保健所の許可を取得する 補助
AIの使われ方: AI直接指示 やり取り改善 フィードバック 学習 検証
この分析の見方

各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。

※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。

AIが担う業務
情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
人間が担っている業務
AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。

カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:

AI直接指示(赤系)
AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
やり取り改善(青系)
人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
フィードバック(紫系)
AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
学習(緑系)
AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
検証(黄系)
AIの出力を人間が確認・検証する利用。

なぜAIが入り込めないのか

🧑 AIの浸透を阻む「人間の強み」

90%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。

AIにできない 感情労働

人の感情に向き合う場面がある

この仕事では他者とのかかわりといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力、説明力

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

AIにできない 対面対応

高い対面でのやりとりが求められる仕事

この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 傾聴力、説明力

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「会場設営、会場の案内や警備等の現場対応を業者に委託する。」

AIにできない 必須資格・免許

普通自動車免許など、法令で定められた資格・免許が必要

この仕事では結果・成果への責任といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

AIは補助まで 責任判断

ある程度求められる責任を伴う判断が求められる

この仕事では結果・成果への責任、意思決定の自由、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 合理的な意思決定

具体的な業務: 「関係者とのミーティングを行い、イベントの規模や内容、予算等を決定する。」「イベント当日までのスケジュール管理を行う。」「運営スタッフの確保と役割分担を決定する。」

AIは補助まで 指導・育成

後輩や部下への指導・育成が役割の一つ

この仕事では他者とのかかわりといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 説明力、指導

この仕事の原動力: 周囲や組織の支援

具体的な業務: 「運営スタッフの指導を行う。」

AIは補助まで 交渉

交渉力が求められる

この仕事では対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

求められる力: 説明力

AIは補助まで 暗黙知

実務経験を通じて身につく知識が活きる

この仕事の原動力: 達成感、自律性

AIが追いつきつつある領域

ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。

変化の兆し 曖昧な判断

正解のない状況での判断力が特に求められる

この仕事では優先順位や目標の自己設定、意思決定の自由、意思決定と問題解決を行うといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。

変化の兆し 創造性

高い創造性やオリジナリティが求められる

求められる力: 独創性

この仕事の原動力: 達成感、自律性

具体的な業務: 「自治体等のコンペや入札等によりイベント企画・運営業務を受託する。」「関係者からの要望等を踏まえてイベントの企画案を作成する。」

業界で変わるAIの影響

同じイベントの企画・運営でも、働く業界によってAIの影響度は異なります。デジタル化が進んだ業界ほど、AIとの接点が多くなります。

情報通信業
AI化 10% 潜在 +32%
サービス業(その他)
AI化 10% 潜在 +23%
すでにAI化 AI活用で伸びる 組織のAI導入で恩恵 人間のみ
この分析の見方
すでにAI化
AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
AI活用で伸びる
AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
組織のAI導入で恩恵
会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
人間のみ
身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。

この職種の年収

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づくイベントの企画・運営の給与水準です。

業界で変わる年収

同じイベントの企画・運営でも、働く業界によって年収は大きく異なります。

電気・ガス・熱供給・水道業 695万円
鉱業,採石業,砂利採取業 687万円
金融業,保険業 614万円
情報通信業 556万円
学術研究,専門・技術サービス業 540万円
不動産業,物品賃貸業 536万円
教育,学習支援業 530万円
製造業 524万円

出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)

この職種に向いている人

ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。

S 社会的
4.3
E 企業的
4.1
A 芸術的
3.5
R 現実的
3.4
I 研究的
3.3
C 慣習的
3.2

人と関わり、助け、教えることが好きなタイプが向いています。

求められるスキルと知識

イベントの企画・運営に求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。

スキル

1
傾聴力 5.0
2
説明力 4.9
3
時間管理 4.9
4
他者との調整 4.8
5
文章力 4.6

知識

1
販売・マーケティング 2.8
2
顧客サービス・対人サービス 2.8
3
ビジネスと経営 2.7
4
コミュニケーションとメディア 2.7
5
事務処理 2.5

働く環境と雇用形態

働く環境

電子メール ほぼ毎日 74%
他者とのかかわり ほぼ毎日 59%
空調のきいた屋内作業 ほぼ毎日 52%
立ち作業 就業時間の半分未満 52%
不規則(天候、生産需要、契約期間などで変わる) 不規則(天候、生産需要、契約期間などで変わる) 52%
機械やコンピュータによる仕事の自動化 少し自動化されている 44%
対面での議論 週に1度以上 41%
時間的切迫 月に1度以上 41%

雇用形態

正規の職員、従業員
51.3%
自営、フリーランス
30.8%
経営層(役員等)
12.8%
派遣社員
7.7%
パートタイマー
5.1%
アルバイト(学生以外)
5.1%
契約社員、期間従業員
2.6%
アルバイト(学生)
2.6%

必要な学歴・資格

AIでは代替できない専門性の証明。資格保持はAI時代の差別化要因になります。

関連資格

  • 普通自動車免許

イベントの企画・運営の将来性とAIの影響

「イベントの企画・運営はAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。

AI代替率: 10%

AI代替率は10%と低く、将来性のある職種です。感情労働・対面対応・必須資格・免許など、AIには難しい要素が業務の中心にあります。

AIが変える業務

顧客要件に基づきサービス提供者を評価・選定する、イベント活動を監視し、法令遵守・参加者満足・問題解決を確認するなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。

AI時代に求められるスキル

傾聴力・説明力・時間管理といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。

よくある質問

イベントの企画・運営はAIでなくなりますか?

イベントの企画・運営はAIでなくなる可能性が低い職種です。AI代替率はわずか10%で、感情労働・対面対応・必須資格・免許など人間の強みが活きる仕事です。

イベントの企画・運営はAIに代替される?

イベント企画・運営はAIに代替される?イベント運営は、参加者の満足度と顧客の成功を同時に実現する仕事です。AIは登録者管理や会場空き状況の確認などは効率化できますが、参加者の反応を見ながら進行を調整したり、予期しないトラブルに対応したりする判断は人間にしかできません。むしろAIが定型業務を担う分、企画担当者はより戦略的な提案に注力できるようになります。

イベントの企画・運営でAIはどう活用される?

業種により異なりますが、AI総合活用度は42%です。すでにAI化されている部分が10%、AI活用で伸ばせる部分が20%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が12%です。

イベントの企画・運営の将来性は?

イベント企画・運営の将来性は?企業がイベントを通じたブランド構築や顧客エンゲージメントを重視するほど、質の高い企画・運営ができる専門家の価値は高まっています。AIツールを使いこなしながら、参加者体験と顧客目標を結びつける戦略的思考が差別化要因になります。

AI時代にイベントの企画・運営に必要なスキルは?

AI時代にイベント企画・運営に必要なスキルは?顧客のビジネス目標をイベント体験に落とし込む企画力、複数ベンダーとの調整・交渉力、当日の現場判断能力です。また、参加者データの分析や自動化ツール(チェックイン・アンケート・フォローアップメール)を活用して、効率と質を両立させるスキルが求められます。

イベントの企画・運営で生成AIをどう活用できる?

イベントの企画・運営では2件の業務でAIが活用されています。

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最終更新: 2026/03/24

AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細

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