とびの将来性 — AIに奪われる業務・残る業務
最終更新: 2026/03/24
資材の位置・数量・寸法把握の作業はAIの支援対象ですが、構造用鋼材をチェーンやロープで吊上げ、クレーン操作者と合図で位置合わせし、ボルト仮固定する作業は、とび職人の経験と現場判断が不可欠な領域です。
とびとは
住宅やビル、橋梁、高速道路、ダムなどの工事に伴う足場など仮設構造物の建て方、解体や重量物運搬などを行う。
この職種のAI浸透度は5%。 20件の業務のうち1件でAIが活用され、19件は人間が中心です。 対面対応や身体作業などAIには代替できない要素も多く、 将来性の高い職種です。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。とびの仕事には「足場の組立」、「型わく支保工の組立」、「土止め支保工」、「地山の掘削」、「鉄骨の組立て」、「木造建築物の組立」、「コンクリート工作物の解体」など、様々な分野がある。それぞれの分野で未経験者が一人立ちするには見習として入職し一定年数の経験を積みながら各種作業主任資格等を取得する。 厚生労働省が定める技能検定の「とび1・2級技能士」資格を取得すると一人前の技術者として認められる。 チームワークが必要な仕事であり、身軽な動作と適切な判断力が求められるほか、力学の基本的知識、大工・左官などの知識もある程度身につけていないと通用しない場合がある。
AI時代に伸ばすべきポイント
- 設計図と監督者の指示に従い柱・梁・桁をボルトで接合する・構造用鋼材を位置合わせしてボルトで仮固定し、本締め・溶接に備えるを極める — AIでは代替できない領域
- 仕様書や図面を読み、必要な資材の位置・数量・寸法を把握するのAIツールを習得 — 効率化の武器に
- 道具、機器、設備の選択・指導の重要性が今後さらに高まる
AIはどこまで浸透しているか
とびの業務全体のうち、実際にAIが使われている割合です。
とびの業務の95%は、まだ人間が担っています。AIの影響を受けにくい職種です。
業務ごとのAI浸透度
とびの業務を、情報処理面でのAI浸透度で分類しました。身体作業や対面業務の実行は含みません。
AIが担う業務
人間が担っている業務
この分析の見方
各業務のAI浸透度はAnthropic Economic Indexの実測データに基づきます。
※ AI浸透度は業務の情報処理・判断面への浸透を測定しています。身体作業や対面対応など物理的な実行はAIでは代替できないため、浸透度が高くても人間の作業が不要になるわけではありません。
- AIが担う業務
- 情報処理面でAIが50%以上浸透している業務。ただし身体作業を伴う場合、実行は引き続き人間が担います。
- 人間が担っている業務
- AI浸透度が50%未満の業務。対面対応・信頼関係・判断力など人間ならではの強みが求められるか、AI技術がまだ追いついていない領域です。
カラーバーは業務ごとの「AIの使われ方」を示します:
- AI直接指示(赤系)
- AIに直接タスクを指示する自動化的な利用。この割合が高いほど、AIが主導的に業務を行っています。
- やり取り改善(青系)
- 人間とAIが対話しながら成果を改善していく協働型の利用。
- フィードバック(紫系)
- AIの出力に対して人間がフィードバックを返す利用パターン。
- 学習(緑系)
- AIを通じて知識やスキルを習得する目的の利用。
- 検証(黄系)
- AIの出力を人間が確認・検証する利用。
なぜAIが入り込めないのか
AIの浸透を阻む「人間の強み」
95%の業務がAIに浸透していない理由は、以下の人間ならではの要素です。
高い対面でのやりとりが求められる仕事
この仕事では他者とのかかわり、対面での議論といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
求められる力: 傾聴力、説明力
この仕事の原動力: 周囲や組織の支援
現場での身体作業が含まれ、完全な自動化は困難
この仕事では立ち作業、屋外作業といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
求められる力: 持久力(スタミナ)
具体的な業務: 「トラックから材料を積み下ろし、運搬する。」「高所作業車を操作する。」「床や壁の材料表面を電動工具を操作して研削、研磨する。」
高い責任を伴う判断が求められる
この仕事では結果・成果への責任、ミスの影響度、意思決定の自由といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
倫理的な判断力が必要
この仕事では厳密さ、正確さ、結果・成果への責任といった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
実務経験を通じて身につく知識が活きる
この仕事の原動力: 達成感、自律性
相手との信頼関係が重要な仕事
この仕事では他者とのかかわりといった場面があり、AIだけでは対応が難しい領域です。
求められる力: 傾聴力
この仕事の原動力: 周囲や組織の支援
AIが追いつきつつある領域
ただし以下の領域は、今後のAI進化でギャップが縮まる可能性があります。
足場の組立て等作業主任者、とび技能士、日本躯体コンクリート打込み・締固め工団体検定1級などの関連資格があると有利
業界で変わるAIの影響
同じとびでも、働く業界によってAIの影響度は異なります。
この分析の見方
- すでにAI化
- AIが直接代行している業務の割合。どの業界でも共通です。
- AI活用で伸びる
- AIツールを使いこなすことで生産性を上げられる領域。個人のスキルと業界のIT環境に左右されます。
- 組織のAI導入で恩恵
- 会社がAIシステムを導入することで、自然と恩恵を受けられる領域。
- 人間のみ
- 身体作業・対面・感情など、現在のAI技術では対応できない領域。
この職種の年収
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づくとびの給与水準です。
業界で変わる年収
同じとびでも、働く業界によって年収は大きく異なります。
出典: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2023年)
この職種に向いている人
ホランドの職業興味理論(RIASEC)に基づく適性タイプです。
手を動かし、具体的なモノを作ることが好きなタイプが向いています。
求められるスキルと知識
とびに求められる主要スキルと専門知識です。スコアは5段階評価。
スキル
知識
働く環境と雇用形態
働く環境
雇用形態
必要な学歴・資格
AIでは代替できない専門性の証明。資格保持はAI時代の差別化要因になります。
関連資格
- 足場の組立て等作業主任者
- とび技能士
- 日本躯体コンクリート打込み・締固め工団体検定1級
- 日本躯体コンクリート打込み・締固め工団体検定2級
近い職種のAI浸透度
とびとキャリアが近い職種を、AI浸透度の違いで比較できます。
AIがより浸透している職種
AI浸透度が低い職種
とびの将来性とAIの影響
「とびはAIに代替されるのか?」という不安を持つ方に向けて、データに基づく分析をお届けします。
AI代替率: 5%
AI代替率は5%と低く、将来性のある職種です。対面対応・身体作業など、AIには難しい要素が業務の中心にあります。
AIが変える業務
仕様書や図面を読み、必要な資材の位置・数量・寸法を把握するなどはAIの活用が進んでいます。これらの業務は効率化される一方、新たな役割が生まれます。
AI時代に求められるスキル
道具、機器、設備の選択・指導・傾聴力といったスキルの重要性が高まっています。AIを補完する人間の強みを伸ばすことがキャリアの鍵になります。
よくある質問
とびはAIでなくなりますか?
とびはAIでなくなる可能性が低い職種です。AI代替率はわずか5%で、対面対応・身体作業など人間の強みが活きる仕事です。
とびはAIに代替される?
構造用鋼材をチェーンで吊上げ、クレーン操作者と合図で所定位置に配置する作業は、高所での経験と危機管理能力が必須で、AIには実現できません。図面解読業務の一部は効率化の余地があります。
とびでAIはどう活用される?
業種により異なりますが、AI総合活用度は24%です。すでにAI化されている部分が5%、AI活用で伸ばせる部分が11%、組織のAI導入で恩恵を受ける部分が8%です。
とびの将来性は?
社会資本の老朽化対応や大規模プロジェクトが継続するため、とび職人のニーズは高まっています。AI時代は準備作業をAIに任せ、現場での高度な判断と安全管理に時間を使えるようになり、職人としてのやりがいが増します。
AI時代にとびに必要なスキルは?
デジタル図面やAI生成指示を読み込む基礎知識、複数職人やクレーン操作者との正確なコミュニケーション、天候や現場環境変化への対応力が必須です。安全管理と問題解決能力の強化が競争力になります。
とびで生成AIをどう活用できる?
とびでは1件の業務でAIが活用されています。
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最終更新: 2026/03/24
AI浸透度はAnthropicのAnthropic Economic Index (AEI)の観測値(CC-BY)に基づく。業種別分析は独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)作成「職業情報データベース」のデータを加工して算出。JILPTおよびAnthropicの見解ではありません。分析方法の詳細